あらすじ
2025年12月、全日本選手権。そこでオリンピックに行けるかどうかが、決まる。
四年前、19位に終わりオリンピックを逃した雪辱を果たすために、ジャンプを跳び続けてきた。ステップを踏み続けてきた。
「いつ、プロに転向するんですか?」
そう聞いてきたのは、ジュニアの女の子。コーチは私に期待していないのか、何も言わなくなった。みんな、「古賀美月」という選手を見ていない。
賞味期限が切れた24歳のフィギュアスケーターが、「オリンピック金メダリスト」という夢を叶えることは、もう無い。
それでも私は、まだリンクの上にいる。