あらすじ
「君のような薄暗い女は必要ない」──華やかな夜会の場で、王太子エドワードに婚約破棄を宣告されたリリア。周囲は彼女を憐れんだが、当の本人は内心でガッツポーズをしていた。五年間、影で王太子を支え続けた日々。もう、誰かの付属品でいる必要はない。リリアが本当にやりたかったこと──それは、亡き母から受け継いだ研究を完成させること。高価な魔石灯に手が届かず、暗闇の中で暮らす庶民たちのために「小さな光」を届けたい。領地に戻ったリリアは、ついに発明を完成させる。それは、誰もが手にできる小さな光──「豆電球」。一方、リリアを失った王宮は静かに崩壊し始めていた。資料の準備、根回し、失言のフォロー……すべてを担っていたのが誰だったのか、エドワードはようやく気づくことになる。地味で薄暗いと蔑まれた令嬢が、やがて国中を照らす『光の聖女』と呼ばれるまでの物語。派手じゃなくていい、眩しくなくていい。ただ誰かの足元を照らせるなら──それでいい。