あらすじ
遺品整理会社で働く竹田は、現場ごとに渡される不可解な紙切れ――「処分不可リスト」の存在を知る。そこに記されているのは、壊れた靴や古い鍵、使い古した布巾など、価値のない物ばかりだった。やがて彼は、それらが故人が無意識に触れていた“帰宅の目印”であることに気づく。人は死んでもすぐには消えず、目印を失えば戻れなくなる。処分不可品を捨ててしまった現場で起きた異変をきっかけに、竹田はこの仕事が「片づけ」ではなく、最後の帰宅を終わらせる役目だと知る。やがて彼自身の私物までもがリストに載り、竹田は気づいてしまう――自分もまた、戻ってくる側になりつつあるのだと。