あらすじ
清掃員として働く「彼女」は、毎朝、巨大な施設の廊下を黙々と清掃している。
ある日、拭き終えたはずの床に、細く均一な白い粉が落ちていることに気づく。
粉はすぐに消える。
しかし、消えたはずの場所に、また現れる。
やがて彼女は、自分がどこを清掃したのか、
思い出せなくなっていく。
いつのまにか、知らなかったはずの行為や感覚が、
自分のものとして身体に残りはじめる。
白い粉は何なのか。
それは汚れなのか、痕跡なのか、それとも――。
「記憶」をテーマに、
役割と存在が静かに引き継がれていく過程を描いたホラー短編。