あらすじ

主人公でパティシエの千夜保(せんやたもつ)(20代の父親)は、妻、香澄(かすみ)と小学生の娘・雅(みやび)と3人で幸せに暮らしている。 ある日、店の客から土産としてエクアドルのオタバロ市場で買ったという茶色のフード人形を貰う。 雅が「可愛い!」と喜ぶ。 雅は人形を『新しいお友達』と呼び、夜、人形を抱いて寝るようになる。 保は特に気にせず、香澄も微笑ましく見守る。 だが、異変がじわじわと始まる。 人形たちが、雅のベッドの下から這い出して彼女に寄り添う姿を目撃した香澄が保を叩き起こす。 保は雅の元へ行くが、彼女は人形を抱きしめて眠っている。 それ以来、雅の様子を見に行くようになった香澄。 保も夢の中で、無数の茶色のフードの『母親たち』が雅を囲み、「家族に迎える」と囁くのを見る。 夢を見た保は、定休日なのもあり、博識で親友の鈴木航(すずきわたる)に相談する。 鈴木によると、人形は、失われた魂が宿り、『新しい娘』を求めて人に取り憑く存在であると言う。 市場で売られるたび、子どもを『取り込む』と保に警告する。 その日の夜、雅が完全に取り込まれかけ、部屋中に人形たちが大量に増殖し、雅を中心に赤い瞳が輝く。 香澄の悲鳴に目を覚ました保は、人形たちを次々と壊し、人形たちを消し炭にする。 そして、雅を抱きしめる香澄ごと部屋から引きずり出し、 そのまま3人で店を飛び出した。 数日後、保は雅の部屋の厄祓いが済むまで、家族三人で、一応一年先輩の山村凌(やまむらりょう)、茜(あかね)夫妻の営む料亭に身を寄せる。 三人は空室を一室与えられて、保は料亭を手伝い、雅は元に戻り、笑顔で「もう怖くないよ」と言う。 香澄や山村達は安堵するが、保は夜——遠くから微かなパンパイプの音を聞き、目を覚ます。 隣で雅が寝顔で微笑み、瞳が一瞬だけ赤く光ったような気がする……が、保は目をこすり、(気のせいだ)と自分に言い聞かせる。 家族は抱き合い、朝を迎える——。 本当に終わったのか、それともまだ続いているのか、それは誰にも分からない。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2026/01/21
  • 現在の作品雅の赤い瞳