あらすじ
異界にて“悪の大幹部”として数多の戦場を制し、世界の裏側を支配していた男・燐慟識。
八年ぶりに地球へ帰還した彼を待っていたのは、平和でも称賛でもなく――無職・無一文・所持金120円という、あまりにも現実的な絶望だった。
生きるため、最後の硬貨で買ったのはコンビニのツナマヨおにぎり。
だがその一口は、味覚を失った異界で生き延びてきた彼の魂を震わせ、あまりの“救済”に涙を流すほどの衝撃を与える。
その瞬間、封じていた力が漏れ出し、世界はモノクロに染まり、怪人すら消し飛ぶ異常事態に。
騒然とする公園で彼が出会ったのは、倒産寸前の弱小ヒーロー事務所の社長・星乃だった。
「雇え。俺には金と職歴が必要だ」
誠実な交渉(本人談)は、恐怖の脅迫として受け取られ、
こうして異界最恐の悪の大幹部は、地球で用心棒として再就職することになる。
――目的はただ一つ。
家賃を払い、ツナマヨおにぎりを安定供給する生活を手に入れること。
これは、世界を滅ぼせる男が、今日の夕飯に一喜一憂しながら生き直す、
勘違いと過剰戦力だらけの現代ファンタジーである。