あらすじ
静かな町がありました。
音はあるのに、子どもの声だけが、なぜか少ない町です。
そこでは、子どもたちは毎日きちんと歩き、きちんと座り、
「あとで」「今はだめ」を覚えながら大きくなっていきました。
遊びたい気持ちも、走りたい気持ちも、
いつのまにか胸の奥にしまわれていきます。
ある日、理由も合図もないまま、
子どもたちはほんの少しだけ立ち止まりました。
そして――
踏まないようにしてきたものを、踏んでみたのです。
町のあちこちに生まれた、きらきらした水たまり。
それは子どもたちの足元から、
やがて大人たちの心の奥まで、静かに広がっていきます。
夢や希望は、叶えるためだけのものじゃなかった。
そのことを、町はもう一度、思い出していきます。
これは、
「してもいい」を思い出した町の、やさしい物語。