あらすじ
王立魔導図書館の地下書庫で、静かに古書と向き合うエレノア。
彼女の平穏な日常は、国中が憧れる最強の司令官アーサーの襲来によって崩れ去る。
「君の人生を丸ごと買い取ってやると言っているんだ」
「お断りします。私は特売のマドレーヌの方が重要ですので」
愛も宝石も通用しない鉄壁のドライ司書を前に、アーサーのプライドは粉々。
見かねた補佐官の助言を受け、有能すぎる男の「間違った努力」が始まった。
宝石がダメなら行列に並べ。 高級車での送迎が嫌なら、カビ臭い書庫の掃除を手伝え。
軍服を煤だらけにして床を磨き、マドレーヌのために開店前から直立不動で待機。
さらには緊張で震える手で、謎の安物キーホルダーを差し出す始末。
「……閣下、正直に申し上げて邪魔です」 「黙れ。私は、並んだんだ。一時間も!」
これは、地位も名誉も使いこなせない不器用な英雄が、一人の女性に振り回され、独占欲を拗らせていく。