あらすじ
「よいかニバラン! 二度とその不届きなお節介、我の前にさらすでないわ!」
地獄の最凶処刑人、ニバラン。彼は精密な知略と合理的判断で淡々と職務をこなす、主君の懐刀たる男だった。……その本性が、度を越した「お節介」でさえなければ……。 勇者軍との決戦直前、魔王ベトロニクスに『健康管理』と称してお弁当を差し入れ、恐怖の儀式を台無しにした彼は、激怒した彼女によって現世へ追放される。
それから三ヶ月。 現世の片隅で小さな弁当屋を営むニバランは、ある雨の日、裏路地で泥まみれになり倒れている少女を拾う。それこそが、勇者に敗れ、地獄のクーデターによってすべてを失った元魔王――ベトロニクスであった。
人間には到底扱えぬ超高速演算を必要とし、電子基板の如き幾何学的な魔術回路を構築する、彼女独自の術式体系『ベトロニクス』。 古き守るべきものを守り、新たな技術で編み出されたその至高の魔術と、地獄の兵站を支えたニバランの知略。 すべてを失った二人が再起をかけ、現世で生き抜くために選んだ手段は「冒険者」になることだった。
「陛下。腹が減ったままでは、再起も何もできませんからね」 「ふん。貴様はせいぜい、我の傍らで荷物持ち兼、料理番として、その不敬なお節介を焼き続けるがよいわ!」
これは、お弁当と知略を武器に、現世の底辺から地獄の頂点までを奪還しにいく、最強コンビの再起の物語。