あらすじ
五百年前の聖女――
『龍蝶 藍鈴』の再来として、人々に祀り上げられる少女・竜蝶蘭鈴。
竜王国武闘大会で連続優勝を果たすほどの実力と美貌は、国にとっての「希望の偶像」だった。
だが当の本人は、自分自身を誰一人見ていない世界に、静かな絶望を抱いていた。
――血ではなく、意思を見てほしい。
――偶像ではなく、「私」として生きたい。
そんな願いを胸に辿り着いたのは、滅びたはずの龍族が眠る湖。
そこで蘭鈴は、瑠璃色の瞳を持つ魔族の青年・琉龍と出会う。
命を救われた直後に交わされる、主従を賭けた決闘。
敗北を選び、自ら穢れを刻んで跪いたのは――龍だった。
それは忠誠ではない。
五百年前に交わされた、“約束”の継承だった。