あらすじ
ワシントンD.C.。効率、成果、ロジック。
それらは正しい。正しすぎる。
だからこそ、ユウは追い詰められる。
ちゃんと準備した。必死に考えた。それでも言葉にできなかった瞬間、評価はゼロになる。
誰も殴らない。怒鳴らない。ただ「今回は難しいですね」と微笑むだけ。
静かで、優しくて、逃げ場のない排除。
これは悪役のいない物語だ。
だからこそ、いちばん怖い。
障害者支援を掲げる団体の会議室で、ユウは言葉を失った。三十分、要点三つ、結論から話せ。――そのルールは、ADHDとディスレクシアを抱える彼にとって、あまりにも残酷だった。支援されるはずの場所で、静かに切り落とされていく当事者たち。これは「能力が足りない」物語じゃない。「形式が合わない」だけで排除される現実を、ひとりの青年の視点から描く、静かな革命の物語。