あらすじ

【概要(ネタバレ含みます)】 令嬢・翠子は、夜ごと自分と同じ姿をした等身大の人形を抱きしめ、「温めなくっちゃ」と呟きながら眠りにつく。 その人形は、父が職人に作らせた精巧な人形で、翠子とそっくりだった。 物語は、執事の視点によって過去へと遡る。 十年前、翠子には菫子という双子の妹がいた。二人は色分けされた衣服で区別されていたが、ある冬の日、庭の池で事故が起き、撫子色の着物を着た少女が溺死する。 父は藍色の着物を着て立ち尽くしていた娘を抱き寄せ、「翠子は無事だったか」と告げる。 父は着物の色を以て、娘を翠子と判断したのだ。 それ以降、生き残った娘は“翠子”として扱われるようになったが、執事だけは彼女の左耳の後ろに、小さなほくろがあることに気づいていた。 それは翠子にはなく菫子にあるものだった。 父は娘に「あの日池に浮かんでいたのは人形だったのだ」と言って、翠子そっくりの人形を与える。娘はその言葉を受け入れ、再び明るく振る舞うようになる。 夜な夜な行われる「毎夜のお人形遊び」──。 それはあの日見た、冷たくなった“翠子”に温度を渡す、本当の“翠子”を求める行為だった。

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カクヨム
カクヨム2026/01/22
  • 現在の作品毎夜のお人形遊び