あらすじ
モルドは料理が趣味の冒険者だ。
肉にはこの塩、野菜にはこのオイル――ただ美味しく作りたい、それだけだった。
だが彼の使う“調味料”は、いつしか身体能力を変化させる魔法薬として扱われ始める。
共に行動するのは、孤児出身の剣士レオンと、商人の娘として育った快活な少女フィーネ。
三人は実力も過去も違うが、互いの背中を預けられる仲間だった。
しかし蜘蛛の科学者・薬師リシェルとの出会いが、彼らの人生を揺るがす。
薬の効果を追い求め、結果すら楽しむ彼女は、モルドの才能と心の奥を見抜いてくる。
趣味の延長が、人の人生を変えてしまうかもしれない恐怖。
迷い、立ち止まるモルドを支えたのは、何も言わず隣に立つ二人の存在だった。
これは、仲間と共に選び直し、救うための薬を作る調合師の物語。