あらすじ
「ズルい大人」――君はそう聞いて笑うだろうか。
海外俳優の声を演じ、知性と理性の仮面を被って生きる声優・榊京介。
彼は、若くして天性のスター性を放つ後輩・朝日奈蓮に、人知れず「一目惚れ」をしていた。
偶然の再会、そしてアルコールの痺れ。
「善き先輩」という逃げ道を用意したはずの榊の仮面は、蓮のあどけない色香と、まっすぐな瞳の前で無残に砕け散る。
絡み合う熱、マイクには決して乗せることのない生々しい吐息。
氷の溶ける音が響く静寂の中、二人は「演技」ではない、本当の想いに溺れていく。
「恋人なんて、いない」
震える声で告げた言葉は、夜明けと共に消える夢か、それとも新しい朝への誓いか。
ズルい大人たちが、プライドも理性も捨てて溶け合う、甘く切ない一夜の記録。