あらすじ
【あらすじ】
高二の冬、無気力な日々を送る悠斗のスマホに、謎のアプリ『BAA-CHAN』が勝手にインストールされた。 アイコンをタップすると現れたのは、一年前になくなったはずの祖母・マサコのアバター。 「お、起動したか。あんた、寝癖ひどいで。異世界の魔獣でも勝てんわ」 どうやら異世界へ転移し、最強の魔導師となっていた祖母は、魔法で現代との通信経路を無理やり構築したらしい。
それから始まった、お節介な祖母による「異世界(画面の向こう)からの生活指導」。 魔法でテストのヤマを当て、三度の結婚経験を活かした強引な恋愛指南で、悠斗の閉ざされていた日常は少しずつ光を取り戻していく。 しかし、そんな幸福な時間は長くは続かない。異世界側に滅びの危機が迫り、通信維持のための魔力が枯渇し始めたのだ。
「ばあちゃんはもう、スマホの中にすら居座っていない。――それでも、俺の日常は魔法みたいに動き始めていた。」 これは、一人の少年が「最強の祖母」から自立し、自分の足で未来へ歩き出すまでの、可笑しくて切ない二万字の奇跡。
【登場人物紹介】
佐藤 悠斗(さとう ゆうと) 本作の主人公。高校二年生。両親が共働きのため、幼少期は祖母に育てられた。祖母を亡くして以来、何事にも熱中できない「無気力な日常」を送っていたが、スマホに現れた祖母に振り回されるうちに、自分自身を変える勇気を持っていく。
マサコ(ばあちゃん) 悠斗の祖母。一年前に他界したが、なぜか異世界に転移し、持ち前の図太さで最強の魔導師に上り詰めた。関西弁で喋り倒し、魔法を「便利ツール」程度にしか思っていない。お節介で破天荒だが、誰よりも悠斗の幸せを願っている。
美咲(みさき) 悠斗のクラスメート。密かに悠斗が憧れている少女。家庭に複雑な事情を抱えており、普段は明るく振る舞っているが、祖母の助言を受けた悠斗の真っ直ぐな言葉に救われていく。