あらすじ
『嘆きの石』―赤子が産まれ落ちたときに握る、心の清らかさを表す石。その者の行いの正しさにより、石の透明度は変化する。
王女エリディアは、その石の稀有な透明度により、教会や民衆からは聖女と崇められていた。しかし、彼女には王族由来の特殊な能力がなく、貴族達からは軽んじられ、継母には虐げられる日々を送る。つらい現実を救ってくれたのは、いつもルマ神への祈りだった。神は全てを解決できる、そう信じて欠かさず祈りを捧げ続けるエリディア。
そんな折、隣国との長い戦争が終結を迎えた祝いの日。姉の身代わりとして、エリディアは突如結婚させられる。和平のための政略結婚は拒否できず、婚約者と別れて元敵国へ嫁ぐことに。
夫となった隣国の王弟アラリックは、横暴な態度で彼女を従わせようとするが、離婚はしないと言い張る。最初は心を閉ざしていたエリディアも、少しずつ現れた彼の優しさに、揺れる感情を抱えることに。しかし、彼にはずっと、心から愛する女性がいたと聞き、その事実に怯え、逃げようとしる。自分の弱さに慄いた彼女は、神への依存から脱却して彼と向き合おうと決意する。
信じて生きてきた女と、否定して生きてきた男。大切な者を守るために、世界の真実を探ろうとする女と、国を越え、時空までもを超えて執着する男。
二人の動きは、はるか昔からこの世界を手中におさめ、栄華を誇る強大な敵への脅威へと繋がってゆく。
王道スペクタクル異世界ロマンファンタジー。