あらすじ
人気イラストレーター「さとうえみ」の更新が、ぷっつりと途絶えた。 それから1ヶ月後。沈黙を破って投稿されたのは、いつもの極彩色の作風とはかけ離れた、黒いボールペン一色で描かれた拙い線画だった。
右を向いて歩く少女と、降り注ぐ雨。 しかし奇妙なことに、その雨はキャンバスの左半分にしか描かれておらず、右半分は塗り忘れたかのように真っ白な空白が広がっていた。
これはスランプによる未完成品か? それとも、雨雲を抜けた「雨上がり」を表現した希望のメッセージか?
ネット上の友人・マシロと、ミステリー作家・神崎と共に、私はこのイラストに隠された謎を解き明かそうと試みる。 彼女は生前、イラストの中に「隠し絵」や「暗号」を仕込むことを好んでいたという。ならば、この不自然な空白にも、計算された《仕掛け》があるはずだ。
謎が解け、空白に隠された「言葉」が浮かび上がった時――私たちは知ることになる。 そこに描かれていたのは……。