あらすじ
目が覚めると、私は夫の革靴を見上げていた。
貧乏貴族の娘エリスは、政略結婚の初夜に何者かに毒を盛られる。
薄れゆく意識の中で見たのは、冷徹な「氷の公爵」と呼ばれる夫クラウスの無関心な背中だった。
愛されていない。
そう絶望して死んだはずだった。
しかし意識を取り戻した彼女は、夫が溺愛する魔狼ノワールの体になっていた。
困惑する彼女の前で、夫はなりふり構わず叫び、床に崩れ落ちる。
そこでエリスは見てしまう。
冷たい鉄仮面の下に隠された、夫の重すぎるほどの愛と執着を。
言葉を話せない犬の姿で、彼女は屋敷に潜む真犯人に立ち向かう。
目の前で嘆く夫に、彼女の声は届くのだろうか。