あらすじ
数字を合わせることだけが、誰にも愛されない私の唯一の救いだった。
伯爵令嬢リディアは、実家の不正な帳簿を整えるためだけに酷使される日々を送っていた。
だが、婚約者である王子から身に覚えのない罪を着せられ、国を追い出されてしまう。
雨の中で途方に暮れる彼女に手を差し伸べたのは、屋敷に仕えていた執事のセオドアだった。
「私と一緒に行きましょう。貴女の能力を正当に評価する場所へ」
彼の手引きでたどり着いたのは、隣の大国ガルニア帝国。
しかも彼はただの執事ではなく、帝国の鍵を握る人物だった。
リディアが持つ計算と事務のスキルは、停滞していた帝国の物流を劇的に改善し、周囲を驚かせていく。
一方で、彼女という要石を失った故郷の国は、急速に傾き始めていた。
捨てられた令嬢が選ぶのは、かつての国への未練か、それとも新しい場所での栄光か。
眼鏡を外した執事が向ける熱い視線の意味に、彼女はいつ気づくのだろうか。