あらすじ

人類の総人口が100億人を突破したその日、世界中に「怪魔」と呼ばれる怪物が出現した。通常兵器が効かず、人類は為す術もなく追い詰められていく。偶然、銀の武器が効くことが判明するも、圧倒的な怪魔の数に対して銀は絶望的に不足していた。 日本の研究所が完成させた異世界転移装置は、人類最後の希望となった。しかし装置には限界があり、「魂の強度」という基準で選別された者だけが転移できる。自衛隊員の葛城ケンジも選ばれた一人だったが、転移施設への道中、怪魔に襲われた避難所で母親から幼い娘を託される。娘を救うため、彼は他の人々を見捨てて走るしかなかった。 異世界への転移は成功する。だが、そこで人類を待っていたのは歓迎ではなく、亜人たちの激しい憎悪と敵意だった。150年前、地球から転移してきた10名の人間が怪魔を呼び寄せ、この世界を破壊し続けてきたのだ。地球と異世界では時間の流れが異なっており、数ヶ月前の確認試験が、この世界では150年前の出来事だったのである。 人類は囚人同然の扱いを受け、「破滅の象徴」として最前線で怪魔と戦う囮にされる。そこでケンジは、同じく差別されているエルフの女性兵士リーシャと出会う。彼女もまた使い捨てのコマとして死に急いでいた。 地球で誰も守れなかった自責の念を抱えるケンジと、誰からも必要とされず孤独だったリーシャ。二人は互いに支え合いながら、絶望的な戦いの中で小さな希望を見出していく。静かな場所で大切な人と暮らすという、ささやかな夢を語り合う二人。 しかしケンジは、自分の中で何かがおかしくなり始めていることに気づく。悪夢が増え、音が遠くなり、手が震える。その違和感の正体とは——。 人類は本当に怪魔になるのか。ケンジとリーシャの未来に待つものは、希望か、それとも新たな絶望か。

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カクヨム
カクヨム2026/01/21
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