あらすじ

海沿いの町に吹く風は、いつも少しだけ潮の匂いがした。 写真部の瀬戸未来は、人の笑顔を撮るのが苦手だった。 でも、転校してきた橘海斗の笑顔だけは、どうしてもシャッターを切りたくなる。 彼はいつも遠くを見ていた。 みんなの前では明るく振る舞うのに、夕焼けの中でふと見せる横顔が寂しげで、 未来はその寂しさに惹かれていった。 少しずつ距離が近づいていく二人。 けれど、ある日未来は知ってしまう——海斗が転校してきた本当の理由を。 「俺、もう長くここにいられないんだ」 そう告げた海斗の声は、波の音と一緒に、未来の胸へ落ちる。 忘れたいのに、忘れられない。 触れた温度も、笑い声も、写真に残した笑顔でさえも——。どれも、未来の心を離れなかった。 だから未来は、最後に祈るように言葉を残す。 ——君に恋した私を、忘れてください。 本作の表紙イラストには、「ノーコピーライトガール」様!配布されているフリー素材を使用させていただきました。 ありがとうございます。

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エブリスタ2026/01/21
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