あらすじ
人類は今日、滅びる。
港町を見下ろす丘の上で、最後の人類ロザリオは、ただ一人の“友人”と夜を過ごしていた。
それはかつて戦闘用ロボットに搭載されていたAI――今は動けないただのカメラ装置、キャサー。
星を眺め、湯を沸かし、二つのマグカップを並べて乾杯する。
ありふれた会話と、もう戻らない日常。
やがて訪れる別れの時、ロザリオはキャサーの電源を切る決断をする。
その直前、AIはひとつの「記録」を求めた。
滅びゆく世界で交わされた、ささやかな会話と最後の返事。
これは、人と人ならざるものが共に過ごした、最後の夜の物語。