あらすじ
※R15は保険です。養子と王女の恋愛物になりますが、身分差はそれほどありませんし、ドロドロでもないハッピーエンドです。
〈あらすじ〉
大国レンズローパ。かの国では、十一歳になると魔力が宿るとされており、その歳には教会で孤児や貴族問わず魔力測定をするという法律がある。
そして貴族や平民関係なく、この時期には皆が教会に集まるのだ。
「おい、通してくれ。魔力量が多い子供は……!」
「あんな魔力の多さ、見たことがないぞ」
皆を騒がしているのは、魔力量が歴代最高と呼ばれているアレン。彼は意味が分からず自分を利用しようとする貴族の誘いを断り続けていたが、一人の侯爵という身分を持つ男は自分を人間として見てくれているような気がして、その手を取った。
グードリッグ侯爵が養子を取ったらしい。王女であるセディレは昼食の席で父である国王からその言葉を聞いた。
だが、今は舞踏会。頑張って社交に励まなければ。
「セディレ。ちょっと来てくれ」
セディレを呼んだのは従兄のロベルト。「ロベルトお兄様」と呼んではいるが、それほど仲が良い訳ではなかった。
「突然なんだが……婚約破棄、してくれないか」
「…………は?」
淑女らしくしようと思ったのに、彼のせいで素が一瞬だけ出てしまった。何かの間違いだと思いつつも、セディレは偶然にもロベルトと子爵令嬢ディーナの逢瀬現場を目撃してしまう。
場面は飛び、セディレは王宮に迷い込んでしまったアレンと出会った。
「……グードリッグ侯爵が引き取った、アレン様?」
「う、うん。そうだよ」
そこから二人は低木に隠れながら話をし、仲良くなる。
セディレより少し年上の十一歳の少年は、何故か距離を詰めれば頬を染める。
セディレはアレンと仲良くなれたことに歓喜した。アレンの方も、口角が上がることを不思議に思うも喜んでいた。
だが、義父となったグードリッグ侯爵に無茶なお願いをされる。
「実の息子アルベルトの死因を探ってくれないか」
アルベルトの死因は先代国王が関わっているため被害者のグードリッグ侯爵家にも知られていない。知っているのは、王家だけ。
(セディレは、知っているのかな)
まだ九歳で魔力も宿っていない年齢の彼女を、そんな簡単に巻き込めない。それにアレンとしては、『女の子としても』巻き込みたくないという不思議な感情があった。