あらすじ
※この小説は、「文学フリマ京都10」において頒布された同小説に修正・一部改稿を加え公開したものです。
《あらすじ》
東海地方、静岡県近海。平穏に暮らしていた白濡島住民は、
ある日時空を泳ぐ魚状の怪物・「廻幽魚(かいゆうぎょ)」による襲撃を受ける。
島全体が八月十三日から八月二十日を巻き戻るようになった中、
怪物により次々命を落とし、「巻き戻し」から弾きだされていく島民たち。
一方的に時間を繰り返し、住民たちの抵抗を迂回する「廻幽魚」への抗戦は絶望的だ。
対抗の術は、島の海神が与えると言われる異能「漁理」だけだった。
・帆潟アタル(ほがた・-)
18歳。男性。都立三宅高校三年生。離婚した父に会うため島に帰る。
父が漁師のため、魚が好きでよく調理している。将来はシェフ志望。
所有する漁理は、黥影を無尽蔵に展開する《禍菱忌鰯(まがびしいわし)》。
・重堂イサカ(しげどう・-)
26歳。女性。白濡深海水族館の館長を務めるエキセントリックな女性。
サマーセーターにホットパンツ・白衣というラフな格好で島をうろつく。
所有する漁理は、質量と重量を捕食する《磐喰鯨重羅(いわばみくじら)》。
・三瑞リツ(みあい・-)
18歳。男性。島立白濡分校三年生。剣道部主将。
角刈りの、日焼けがめだつ朴訥な少年。責任感が強く、動じない性格。
所有する漁理は、斬線上の情報を消去する《断魚貞宗(たちうおさだむね)》。
・・波塙セヌイ(なみばな・-)
20歳。女性。都立笹川看護大学一年生。看護学生。
金髪の、活発で明るい少女。島からの逃避願望があり、都内の大学に上京していた。
所有する漁理は、墨を浴びた物体の時間を凍結する《蛸鈷○(たこまる)》。
・篠突ソウジロウ(しのつき・-)
故人。56歳。白濡医院院長。唯一の島医。
肥満体の中年。保守的かつ閉鎖的だが、職務意識は高い。
所有していた漁理は、時間性の風化毒を降らす《雨虎獅》(あめふらし)。