あらすじ
魔王と相打ちになり、その生涯を終えた英雄・片吹瑞樹。
彼は最強の力を宿したまま、懐かしき故郷――現代日本に帰還していた。
平穏を望む彼は、ある日怪異に襲われた退魔師の少女を助け、その実力を買われてスカウトされる。
異世界で培った力があれば、現代の怪異など敵ではない――はずだった。
だが、日本の怪異は魔族のように単純ではない。
人の弱みに付け込み、精神を削り、救おうとした手さえも汚していく。
勇者の力は、怪異を物理的に消し飛ばすことはできても、残された呪いやトラウマまでは消せない。
救いたかった笑顔が曇り、守りたかった日常が軋む。
それでも彼は止まらない。
魔王殺しの力を遺憾なく発揮し、全ての鬱屈を吹き飛ばすその日まで。