あらすじ
「私、好きな人ができたんだ」
その一言で、私の世界は終わった。
高校三年生の春。
朝霧澪は、幼馴染であり親友の一ノ瀬葵から恋の相談を受ける。
相手は、隣のクラスの男子――相良恒一。
澪は笑って頷く。
「そっか。いい人だと思うよ」
その瞬間、胸の奥で何かが壊れた音がした。
――だって、私はずっと、葵が好きだったから。
それでも澪は嘘をつく。
親友として、理解者として、恋の相談役として。
服を選び、LINEの文面を考え、告白の背中を押す。
空はどこまでも青くて、残酷だった。
見上げるたびに思い出す。
この青空の下で、私は何度、自分の心を殺したのだろう、と。
これは、
「君の幸せ」を願うフリをしながら、
本当は君の恋が壊れることを祈っている少女の物語。
友情という名の嘘で、
私は今日も、君を殺しにいく。