あらすじ

始まりは、ひどく唐突だった。 街道の木陰で休んでいた私の前に、その女は現れた。奇妙な格好をしていたわけではない。ただ、その瞳に宿る色が、ひどく透明で冷たい輝きを放っていたのを覚えている。 「あんた、いい身体をしてるね。少しだけ、私の実験に付き合ってよ」 拒絶する間もなかった。女が指先で私の額に触れた瞬間、脳裏を白い閃光が走り、心臓が一度だけ、これまでにないほど強く脈打った。それが全ての始まり。私が人間という時間の枠組みから、弾き出された瞬間だった。 ……それから一ヶ月が経つ。 「おい、アルス。いい加減にしろよ。魔女に呪われたなんて、そんな冗談、酒の席でも滑るぞ」 幼馴染のルジクが、呆れたように笑いながらジョッキを煽る。その隣で、もう一人の親友である反人も、くすくすと肩を揺らしていた。 私は嘘をついていない。現に、この一ヶ月、どれだけ無茶な依頼をこなしても、私の身体には傷一つ残っていないのだ。 「本当なんだ。信じられないなら……そうだな。確かめてみるか?」 私は腰のナイフを抜き、自分の手の平をなぞった。

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カクヨム
カクヨム2026/01/21
  • 現在の作品[毎日2話更新中]不老不死になった男は長い旅の後に「家族」を作る〜戦場で出会った孤独な君と多種族の子供たち〜