あらすじ
異世界に召喚されたのは、34人目の“勇者”。
だがその旅は、希望と栄光に満ちたものではない。
勇者は逃げれば殺される。
その血は、次の勇者を呼ぶために必要だから。
導き手ライゼルは、教会に育てられた少年。
彼の使命は、勇者を導き、魔王を討たせること。
そしてもし勇者が使命から逃げたなら――その手で殺すこと。
今回召喚されたのは、黒髪の少女・桜井唯。
明るく振る舞いながらも、彼女は常に「帰りたい」という想いを胸に抱えている。
戦うたびに何かを代償として失い、少しずつ“自分”を削られていく勇者。
忘れていく記憶、曖昧になる感情、それでも前に進まなければならない現実。
「逃げたら殺す」
その冷酷な掟の中で、二人は旅を続ける。
それは世界を救うための物語であり、
同時に“人が壊れていく過程”を描く物語でもある。
果たしてこの旅の先に待つのは、救済か、破滅か。
導き手と勇者、歪んだ関係性が紡ぐ、残酷で切ない異世界ファンタジー。