あらすじ

書かれなかった物語は、存在しなかったのだろうか。 終わらない物語は、未完なのだろうか。 西暦二七二〇年、ひとりの作家が文壇に現れた。 カール・フリードリヒ・ヒエロニュムス── 彼が生涯に著したとされる作品は、百万を超える。しかし、そのほとんどには本文が存在しない。あるのは、タイトルと、沈黙だけ。 本作は、架空の作家ヒエロニュムスの生涯と作品群を辿りながら、 「物語とは何か」「書くとは何を残すことなのか」を静かに問い続ける偽伝記小説である。 白紙、欠落、未完、伝聞、真偽不明の引用。 それらの余白に、読者自身の読みが差し込まれるとき、 物語は初めて語られ始めるのかもしれない。 この小説に、明確な結末はない。 だが、読み終えた後、あなたの中で何かが終わらなくなる。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/01/21
  • 現在の作品カール・フリードリヒ・ヒエロニュムスの生涯