あらすじ
(『くれげの世界』)
クレーンゲームが、競技として存在する世界。
ゲームセンターで日々繰り返されるのは、
運・技術・知識、そして人間の欲望がぶつかり合う小さな戦場。
そんな中、
一人の少女――昏華すきは、
クレーンゲームに対してだけ“違和感”を覚えていた。
アームの動き。
景品の揺れ。
重心のかかる位置。
なぜか彼女には、
「次にどうなるか」が感覚的にわかってしまう。
だが本人は、その才能を自覚していない。
初手ワンパンで景品を獲得する幸運少女・天秤沙希。
元フィギュアスケート選手で、精密な操作を誇る理論派・雨瑠凛。
金の力でゴリ押すが、技術ゼロのポンコツ御曹司・成宮金。
ギャンブル感覚で勝負を楽しむ、脳汁全開の少女・賭良詠。
そして、
諦められた台だけを狙い、最小投資で獲物を奪う男――
ハイエナの仁。
個性も価値観もバラバラな彼らは、
やがて「クレーンゲーム大会」という舞台で交差していく。
大会は、五人一組のチーム戦。
同じ台を、五人が一手ずつ操作する特殊ルール。
一人では、絶対に取れない。
仲間がいるからこそ、世界は“落とせる”。
これは、
才能を自覚していない少女が、
仲間と出会い、敗北を知り、
やがて“名を与えられる”までの物語。
クレーンゲームで世界を掴め。
——『くれげの世界』、開幕。