あらすじ
「……うおっ」
「あっ!」
「黙れ。声出したら首をへし折るぞ」
おれは思わず息を呑んだ。居間でぼんやりとリモコンをいじりながらテレビを眺めていた、そのときだった。突然、窓がカラカラと乾いた音を立てて、ゆっくりと開き始めた。
何事かと思い、テレビを消して前のめりになった瞬間、窓の向こうから男の顔が、ぬっと突き出てきたのだ。
男は部屋に上がり込むと、そっと窓を閉めた。白いTシャツにグレーのスウェット。短く刈り込まれた髪に無精ひげ。その目は血走っている。
今の物言いに、この風貌。この男、まさか――。