あらすじ
廃墟探索を趣味とする大学生・仲邑尚は、住宅地の空き家に忍び込み、二階で首を吊った男の死体を目撃する。転落事故で怪我を負いながらも、その異様な光景が頭から離れない。
怪我の治療後、大学図書館で出会った、動物保護を志しコウノトリの研究をする理学部の女・道下香菜と親しくなる。二人は、廃墟を再現したホラーハウスへ足を運ぶ。
作り物の恐怖のはずの空間で、香菜は図書館で官報の行旅死亡人欄を調べ続ける理由と、幼少期に家族から棄てられた過去を語り始める。
やがて尚は、香菜の言葉や仕草が、かつて廃屋で見た死体や、不可解な記憶と重なっていくのを感じる。彼女が語るコウノトリの習性は、単なる比喩では終わらず、尚の中で歪んだ確信へと変貌していく。
偽物の廃墟から、本物の廃墟へ――。
尚は、香菜をある場所へ連れて行くと決意する。