あらすじ
その人の右手の小指は陶器でできていた。
ときどき、考えごとをしながら、コーヒーカップを右手の小指のつま先ではじく。りいん、りいんと、音が水の波紋みたいに円状に響く。
わたしはその音を聞くのが好きだった。
冷たくて、きれいな音。
「再会の音」と、その人は呼んでいた。
歳の離れた男と少女の短い話。
------
(トピックでいただいたお題
「癖1:考え事をしているとき、指でカップを弾く事がある」
「スチル1:鞄にボタンが一つ入っている」
の回答作品です)
(超·妄想コンテスト258回「銀」応募作)
2026.1.18.