あらすじ
勇者パーティを「戦力外」の一言で追放された俺――得意なのは戦闘じゃない。整理整頓、洗濯、油汚れ落とし、そして“空気を読んだ段取り”だ。
行き場をなくして辿り着いたのは、誰も近寄らない魔王城。ところが門をくぐった瞬間、俺は見てしまう。
「……床の足跡、三十七。廊下の角のホコリ、二ミリ。厨房の鍋、焦げ付きレベルB。――許せない」
魔王、めちゃくちゃ几帳面だった。
なぜか“清掃係”として雇われた俺は、魔王の異常なこだわりに振り回されながらも、城中のカオスを整えていく。
ズボラすぎる四天王は「掃除? それって攻撃魔法?」と勘違いし、魔物たちは雑巾がけを“訓練”だと思い込む。
そして俺が磨いた鎧は光りすぎて眩しく、磨いた床は滑りすぎて四天王が廊下でスケート事故を起こす始末。
だが、ただの掃除では終わらなかった。
魔王城には「汚れ」が魔力を吸って“呪い”になる厄介な性質があり、俺の清掃スキルがそのまま結界強化と呪い解除に直結していたのだ。
「お前……掃除で城の防御力を上げるのか?」
「え、普通にやってたら上がりました」
追放された俺が手に入れた最強の武器は、剣でも魔法でもない。
モップと洗剤と、完璧な段取り!
几帳面魔王のツッコミが冴えわたる魔王城で、
俺は今日も“清掃”で世界を救ってしまう(予定)。