あらすじ

どうしようもないことってあるよね。 戦争は無くならない。例えAがBを潰してもAが分裂してBが生じるのだから。 死んだ人だって返ってこない。死んでしまったのだから当然でしょう? 死は全てを奪う。その人の選択肢、記憶、未来。そして、周囲の人がその人と関わる権利。そんな当たり前が永劫に奪われてしまう。 そして、一度起こったことは絶対に変わらないんだ。愛する人が死んだ事実は変らない。奴らに殺されたという事実は絶対に変わらないんだ。 ……だからね、大好きな親友がいるという曖昧な現実は私を慰めてはくれないんだよ。それは明日にでも奪われるかもしれない。例え戦争が終わっても、また次の戦争が始まるのだから。 旅行先で偶然テロに遭うかもしれない。奴らに襲われるかもしれない。眠っている間に居住区が攻撃されるかもしれない。 いつかは奪われて、殺されて、死体だけが事実として残る。そんな風に思っちゃうから、ふわふわな幸せは苦しいんだ。二人で誰もいない場所に行かない限り幸せなんて感じられないの。 だから、奪うことでしか自分を慰められない。憎いあいつらから奪って、壊して、殺して。仇かもしれない人間を殺し尽くす。憎い奴の家族が私と同じ気持ちを味わっていると思えば、少しは胸のうちが晴れるかもしれない。 目の前に死体の山を築いて、そうやって1つずつ事実を積み重ねないと満足できないの。 最低だよね。 ……でも、私を最低にしたのはあいつらだから。 私は私を肯定するしかないんだ。

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小説を読もう2025/06/18
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