あらすじ

何でもそつなく熟す手の掛からない子供だったわたし。 言われるままに勉強し、言われるままに習い事をする。 共働きの両親に負担を掛けないように妹の面倒も見る親孝行な娘。 俗に言うところの『いい子』。 わたしは周囲に求められるまま、天使のような振舞を心掛けることに心を尽くした。 だけど、わたしの内面はそれほど強靭にはできていなかったようだ。 心に変調をきたしたのだ。 もう一人のわたしが言う。 『あんた、早晩、心が壊れるわよ』 そんなはずない。 『まあいいけど。あんたが壊れたらわたしがその身体を頂くだけよ』 冗談じゃない! このままでいいわけがあるか! わたしはわたしの全てを取り戻さなければならない。 もちろん、対外的にはこれまでと変わらない。 でももう、わたしは他人のために自分の時間を消費したりなんかしない。 わたしの時間はわたしだけのものだ。 何人たりとて侵すことは許されないのだよ。 そうやって誰にも邪魔されることなく、毎日学生生活をそつなく送っていたわたしだったが、ある日―――― わたしは背後から首を刎ねられてしまった。 ストーカー女に。 薄れゆく意識の中で、その子の呟きが聴こえた。 「あなたが悪いんじゃない。こうする以外に、あなたを永遠のものにする方法を思いつかなかった私が悪いんです」 それがわたしがわたしだった時の最期の記憶。 「もう面倒くさいので、このままここでフヨフヨしてていいですか?」 死んでしまったものはしょうがない。 与えられた立場を最大限生かして満喫するとしよう。 だが、神はわたしに安らぎを与えてはくれなかった。 「君には人間的な情が欠けているみたいだね。もう一度、生まれ変わらせてあげるから、少しばかり下界で修行してきたまえ」 「いや、生まれ変わりなんて別に望んでませんが?」 「いいから、さっさと行く!」 こうして、わたしは本人が全然望んでいない異世界転生を果たしてしまったのだった。

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小説を読もう2026/01/21
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