あらすじ
千年前、栄華を誇った環文明《リング・シヴィル》は、
中央環《セントラル・リング》の暴走によって滅びた。
“環の断裂《リング・ブレイク》”と呼ばれるその災厄は、
世界中の魔力の流れを狂わせたまま、今なお続いている。
だが最近、静かだった環柱《リングタワー》が各地で微かに反応し始めた。
魔法学校に入学したばかりの少年・レイルは、
胸に浮かぶ薄い環紋《リングマーク》の意味も知らず、
幼い頃から“魔力の音”を聞く不思議な体質を抱えていた。
――入学初日。
古い環柱《リングタワー》に触れた瞬間、
塔はレイルにだけ反応し、低く共鳴を響かせる。
その光景を見つめていたのは、
白銀の髪と琥珀の瞳を持つ少女、セラ。
彼女は、死環《デス・フロー》の力に囚われた存在だった。
「あなたの“生の流れ”は、私の“死の流れ”と同じ場所にある」
少女の言葉は、レイルの運命を大きく揺さぶる。
レイルはまだ知らない。
自身が環文明最後の端血であり、
セラこそ滅びた文明の“欠けた死の環”を背負う者であることを。
そして、二人が触れ合った瞬間、
千年止まっていた環文明の回路が静かに動き始める。
世界は再び滅びへ向かうのか。
それとも、二人の手によって新たな環が生まれるのか。
死環の少女と、環柱に選ばれた少年が紡ぐ、
千年断裂と再生のファンタジー、いま開幕。