あらすじ
「何もしていないのに、世界が勝手に“忖度”を始めた」
巣に集めた金貨の山で、ひんやりとした感触を楽しみながら遊ぶドラゴン。
「なくならないといいなぁ」という無邪気な願いは、しかし人間社会に空前絶後の“経済危機”をもたらしていた。
「奴は国家の血流を止める気だ……!」
窓のない会議室に集まった人間たちは、ドラゴンの“沈黙”を高度な圧力外交だと深読みし、戦慄する。
恐怖の果てに彼らが導き出した結論は、敵対ではなく――最大限の**“配慮”**だった。
国家予算を注ぎ込んだ貢ぎ物が、慎重の末にドラゴンの元へ届けられる。
だが、そこでもまた、人間とドラゴンの間にある数キロメートルの「物理的な距離」が、致命的なすれ違いを生んでしまい……。