あらすじ
『社長という名のパラサイト』
― 奪われた名義の果てで待つもの ―
社長として立ち上げた会社の売上は、十五億規模に膨らんでいた。幸せな様に感じた日々。
それでも――なぜか、現金だけが足りなかった。
海外仕入れに追われ、国内の金の流れは同期の菅野に任せきりにしていた。
疑わなかった。信じていた。
それが、すべての始まりだった。
返済が遅れ始めた頃、資金提供者の相馬から直電が入る。
「場合によっては、一括で返してもらう」
慌てて通帳を確認した俺は、異常な現金の出入りと、帳簿から消えた在庫に気づく。
決定的だったのは、菅野の机の引き出しだった。
そこには、俺の実印が押された高級物件の賃貸契約、車のリース契約、
そして――同居人欄に、妻と子どもの名前まで並んだ書類が揃っていた。
「会社は潰す。悪いけど、お前が破産してくれ」
電話口の向こうで菅野は淡々と告げる。
奪われたのは金だけじゃない。
信用、人生、そして“社長”という立場。
ヤツはいつの間にか、俺の全てに寄生していた。
雪の夜、俺は決めた。
吐かせる。認めさせる。証拠で奪い返す。これは、人生を食い荒らされた男が、信じた相手――パラサイトを、証拠と沈黙で追い詰めていく経済ノワール。社会派ドラマ。