あらすじ
都内で不審火が増えている。
けれど誰も気にしない。ニュースは流れて、次の話題に埋もれて消えていく。
情報が溢れる社会では、異常すら“日常”として風化していく。
会社員の千紘は、帰宅途中に息が苦しくなる場所に出会う。
通り過ぎ振り返った先で見えたのは、煙ではない黒い揺らぎ。
そして直後――その場所で火災が起きた。
偶然かもしれない。
そう思いたいのに、自分の周りで異常が繰り返されていく。
誰も覚えていない。
誰も気づいていない。
それでも、世界は静かに蝕まれている。
これは、“見える”力を得た一人の社会人が、
日常の奥に隠された異常と向き合っていく
現代SF×異能ファンタジーである。