あらすじ
ヒーロー案内所――街のどこかにある、ヒーロー活動を記録する機関。
世間が称賛するのは公認ヒーローだが、その現場が“壊れなかった理由”は多く語られない。
本作が追うのは、制度の影で動く準公認の記録と、正式な報告書にすら載らない非公認ログ。
記録官・伊藤コトハは、現場で起きたことを淡々と書き留め、報告書の余白に付箋を貼る。
付箋は命令でも評価でもない。次の記録へ引き継ぐための、ささやかな痕跡だ。
派手な戦闘も明確な勝敗もない。
あるのは、太字にならなかった無数の判断と、ニュースにならなかった英雄たちの働き。
これは、世界が静かに整っていく過程を拾い集める連作短編である。