あらすじ
目の前の怪物が、極上の肉塊に見えてしまった。
公爵令嬢シェリルは婚約破棄され、魔物が巣食う魔境の森へ捨てられる。
家も地位も名誉も失った。
けれど彼女の心を満たしていたのは、絶望ではなく強烈な空腹感だった。
彼女の瞳には、襲い来る凶悪な魔物が美味しそうな食材として映る。
生活魔法を駆使して魔物を狩り、解体し、料理して食べる。
ただそれだけの日々だったはずが、彼女は知らぬ間にダンジョンの主として君臨してしまう。
お腹を空かせた謎のイケメンを餌付けし、討伐にやってきた元婚約者の勇者一行すらも、彼女にとっては食材を運んでくる鴨でしかない。
本人は静かに暮らしたいだけなのに、周囲の評価は魔王へと変わっていく。
これは復讐譚ではない。
抑圧された食欲を解放した令嬢が、勘違いと料理で世界を振り回す物語。
彼女の包丁が切り開くのは、魔王としての覇道か、それとも最高の食卓か。