あらすじ
吾輩はダンジョンである。腹も立つが、腹も減るのだ。
ある日突然、石ころが転がった音で「自我」に目覚めてしまった、あるダンジョン。
人間たちが勝手に入り込み、勝手に恐怖し、勝手に死んでいくこの穴ぐらで、ダンジョン(吾輩)は冷徹な「観察者」にして、部下のモンスターたちを束ねる苦労性の「中間管理職」として目覚める。
小うるさいベテラン冒険者、空っぽの宝箱に深読みするインテリ、さらには苔を売りさばく転売ヤーの小娘まで現れて、静かだった職場(迷宮)は毎日が大騒ぎ。
「恐怖」と「絶望」を主食とする吾輩にとって、軟弱な冒険者たちはあまりに俗っぽく、そしてあまりに不味すぎる!
軽妙かつシニカルな迷宮視点の「トホホな人間観察記」
辞表の出せないダンジョンの、長く、深く、ジメジメした日常が幕を開ける。