あらすじ

夜が落ちてくる感覚とともに目を覚ました主人公は、白い石でできた見知らぬ部屋にいた。そこは完全な闇が存在せず、夜の方が長い「境の内側」と呼ばれる異世界だった。案内役として現れた彼女は、感情が形となって影響を及ぼすこの世界の住人で、夜になると人々は少しだけ正直になるという。 昼の街は整い、感情は均されているが、夜になると空気が緩み、言葉や沈黙に本音が滲む。主人公は彼女に導かれながら、この静かな世界で夜を重ねていく。昼は距離を保ち、夜だけ名前を呼ぶ彼女との関係は、会話よりも同じ時間を過ごすことによって深まっていく。 彼女の部屋は、眠れない者のために作られた空間で、二脚の椅子と、闇を拒まない灯りが用意されていた。言葉を交わさずとも呼吸を合わせる夜のなかで、主人公は次第に、この世界に留まりたいという思いを自覚していく。 だが、元の世界へ帰る方法は常に存在し、それを選べばこの世界での記録は消えるという選択が突きつけられる。夜と昼、記憶と感情、留まることと帰ること。その境界で、主人公は決断を迫られる。

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小説を読もう2026/01/20
  • 現在の作品夜が朝を許すまで