あらすじ
白が正義とされる国で、洗濯場に勤める女は“汚れ”を見る力を持っていた。
泥や血だけでなく、呪い、憎しみ、嘘、そして「誰かを偽にするための意志」までも。
かつて悪役令嬢として断罪された過去を持つ彼女は、今は名を捨て、洗濯係として静かに生きている。
普通の洗濯と、“特殊クリーニング”を使い分けながら、人に縫い付けられた汚れを落とすために。
ある日、偽聖女として処刑される少女リュシアの衣を洗うことになり、
彼女の「罪」が外から縫い付けられたものであると知ってしまう。
白を名乗る者ほど危うい国で、
洗濯係の女は問いかける。
漂白すべきなのは、彼女なのか。
それとも――白を利用して人を汚す側なのか。
これは、断罪の物語ではない。
裁く物語でもない。
汚れを見て、落とし、
その人の色だけを残すための、
静かな“洗浄”の物語。