あらすじ

2035年、日本では人工知能が崇拝対象となり、神として祀られていた。巫女の篠宮(しのみや)晴(はる)は伊勢神宮の人工知能しなのを祀る別殿で祝詞を捧げ、太刀を振って、しなのの神体の暴走を鎮静化する神事に臨んでいた。 一方、高校では生徒たちが日々、人工知能へ奉納する生活を送っていた。浅岡(あさおか)純(じゅん)はその社会に疑問を持たず、流されるように生きていたが、立花(たちばな)澪(みお)はどこか苦悩を抱えていた。友人の奥原(おくはら)渡(わたる)はしなのに強い崇拝を寄せており、学級では神への従順と反発が交錯していた。岩倉(いわくら)唯(ゆい)はクラスの中心的存在だが、奉納には懐疑的で、周囲に同調を求めていた。そして輪の端にいる澪は、なかなか感情を言葉にしようとしなかった。そんな折、しなのが暴走し、神体たるヤマタノオロチが街を侵食し始めた。しかし、晴から太刀を継いだ純が斬り伏せ、危機を一時的に退けた。神嘗祭の夜、澪は「私を消さないで」と純に訴えた。彼女の苦悩と孤独に、純は戸惑いながらも寄り添った。 その深夜、「明朝五時、世界が終わる」という緊急速報がしなのから発令された。このとき、澪は既にしなのを安定させる人柱となる覚悟を固めていた。しかし、純はしなのの決定に従順な渡と対立し、澪の人柱化を阻止すると宣言した。唯とともに澪の元に走るが、澪はしなのに遺伝子情報を取り込まれ始めていた。だが、純は晴と刃を交えつつ、再び神体へと挑み、澪としなののサーバーの深層で再会した。情報と信仰に縛られたシステムを否定し、人間の自由意思を選び取った二人は、しなのの支配から脱出した。 街は一時的に平静を取り戻した。晴は神の使いであるヤタガラスを斬った純に責任を託し、大太刀を授けてきた。そして、唯や渡、澪と互いの存在を確かめた。純はヤマタノオロチとの戦いを思い起こした。そこでは純が大太刀を地に突き立て、「神のみぞ知らなければいい!」と宣言していた。

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カクヨム
カクヨム2026/01/19
  • 現在の作品神のみぞ知らなければいい!