あらすじ
王に溺愛されている第三王子カインの婚約者として生きてきた公爵令嬢ユーリアは、
少しずつ彼の心が、自分から離れていくのを知っていた。
それでも、在りし日の思い出が、幼い頃に交わした約束が、
ユーリアの心をカインへと繋ぎとめていた。
自分には久しく向けられなくなった表情を、別の者へ向けている光景を、
見て見ぬふりをしながら――
ただ「完璧であること」こそが彼のためなのだと信じ、日々を過ごしていた。
しかし、それもカインが告げた婚約解消の言葉によって、
脆く崩れ去る。
――あなたが私を過去にするのなら、
――私もあなたを過去にしましょう。
ただひたすらに、守ることだけを選び続けてきた過去。
在りし日に交わした約束。
そして、もう戻らない「宝石の庭」。
これは、誰かのための人生を終わらせ、
自分自身の意志で未来を選び直す、
ひとりの令嬢の物語。