あらすじ

<衡者ハルの記録より> 先に書いておくが、これは英雄譚でも、救世主の伝説でもない。 神様が世界を救った話でもなければ、人間が奇跡を起こした話でもない。 ただ、神様が人間のふりをして、地上を歩いた記録だ。 元・全知全能神。肩書きだけ聞くと、正直あまり友達になりたくないタイプ。 そいつの名前は、シン。 昔は世界の全部を知って、全部できて、全部を決めていた。 神々ですら、「任せすぎたかもしれない」と思う程度には。 今は、その座を次の全知全能神候補――ユグに託し、成長を見届けるためだとか言って、わざわざ地上に降りてきている。 目的は立派だ。天界の未来のため。世界のため。神としては、たぶん正しい。 ただ、正しさだけではもったいない。 だから、俺が同行している。 俺はハル。衡者と呼ばれる立場だ。 神でも人でもない。天界と地上のあいだに立ち、神がやりすぎれば止め、世界が傾けば戻す。 言葉にすると簡単だが、実際はだいたい面倒な役回りばかりだ。 この記録は、神が人間を学ぶ過程で起きた出来事と、その途中で起きた、いくつかの想定外について書かれている。 そしてそのすべては、ここから始まった。 正直な話をすると、当時の俺は家で寝ていたかった。

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小説を読もう2026/01/20
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