あらすじ
「――俺はただ、妹を連れ帰りたかっただけだ」
かつて「六銅貨」の報酬で泥に塗れた命を売っていた、死事人の青年。
妹を救うために積み上げた数千、数万の「死(リトライ)」の果てに、あの日から一年、彼の運命は最悪の形で結実した。
異世界者も集う一大イベント超難関クエスト「神皇討伐」。
勇者や魔女ら最強の仲間と共に王を追い詰めたその瞬間、青年の能力は臨界を超えて覚醒する。
放たれたのは、死をやり直す慈悲の光ではない。
因果を無視し、空間ごと対象を虚無へ突き落とす叛逆の閃光――**《リベリオンテンペスト》**だった。
神皇の消滅と共に、世界の一部すら異空間へ消し去った青年。
「英雄」となるはずだった彼は、その一撃で「世界を滅ぼす化け物」へと塗り替えられた。
懸賞金、百億。
かつての仲間、ギルドの軍勢、そして世界そのものに追われる身となった青年に、共闘していた闇の魔女が妖しく囁く。
「この世界に居場所がないなら、私の故郷(異世界)へ行かない?」
これは、世界から爪弾きにされた「百億の賞金首」が、不器用な優しさを胸に秘めたまま、干渉不能の破壊の光で無数の異世界を穿ち進む、絶望と叛逆の逃亡劇。