あらすじ
放課後の教室で、彼はいつも優しかった。
泣いていても、苦しんでいても、踏み込まず、否定もせず、ただ見ているだけ。
「無理しなくていいよ」
そう言って笑う彼の隣は、なぜか安心できた。
助けられていないのに、見捨てられてもいない。
それを、私は恋だと思っていた。
けれど――
彼は、すべてに気づいていたという。
助けなかったのは、優しさだったのか。
それとも、見ないふりという選択だったのか。
優しいまま、何もしなかった少年と、
何も言えなかった少女の、静かで歪んだ恋愛ホラー。
読後、教室の静けさが、少し怖くなる物語。